COMPONENT

【成分研究】

QuSome®化ハイドロキノン

長年にわたって優れた働きが実証されているハイドロキノンと、浸透テクノロジーQuSome®と融合させ、効果のスピードアップと低刺激性を実現させた優秀なブライトニング効果をもたらす成分です。

構成成分

ハイドロキノン

ハイドロキノンは、還元作用・漂白作用が確認され、数多くある美白剤の中でも強力な効果が認められている美白成分で、世界中の美容医療機関でOCT薬や処方薬としても使用されています。
ハイドロキノンには、チロシナーゼの阻害作用やメラノサイトを減少させる効果、メラニンを還元することでシミを薄くする効果などにより美白効果を発揮します。
老人性色素班や肝斑、炎症性色素沈着、そばかすなどのシミの種類に対して有効です。しかし、色素の絡んだ悩みに対して切れ味の良い美白剤である反面、熱や光などによって容易に細胞への傷害性が強いベンゾキノンという物質へ酸化されてしまい、皮膚刺激やトラブルを起こしてしまう一面もあります。
そのため、ハイドロキノン含有製品は安定した処方設計や容器の工夫が重要とされています。

ハイドロキノン

アミトース®HGA

世界初の美白メカニズムを有するビタミンC誘導体(アスコルビン酸誘導体)です。
メラニンを『作らせない』『閉じ込める』『分解する』の3つのアプローチで美白効果をもたらすことが特徴です。
ビタミンC誘導体史上初のチロシナーゼの生合成を妨げることによりメラニンを作らせず、メラニン輸送関連因子であるキネシン・ミオシンVaの発現を阻害する事でメラニンをメラノサイト内に閉じ込め、ビタミンC誘導体史上初のオートファジーの活性化効果によって閉じ込められたメラニンを分解させる美白メカニズムで美白効果を発揮するのです。

写真:『閉じ込める(輸送阻害)』の画像データ。メラニン輸送のタイムラプス観察。
プレートにメラニン色素産生細胞を播種し、1日培養。
その後、被験物質(100μmol/L)とメラニン産生促進剤(テオフェリン)を添加。タイムラプス顕微鏡にセットし、3日間培養しながら観察した。
資料提供:(株)成和化成
アミトースは(株)成和化成の登録商標です。

TGP2(オリゴペプチド-34)

成長因子の活性部位をヒントに開発されたTGF-β用合成ペプチドです。美白効果を持ちながら抗炎症や抗老化効果といったマルチな効果があります。
オリゴペプチド-34の美白メカニズムは、メラニン合成開始転写因子であるMIFT(*1)の分解を促進し、メラニン合成酵素であるチロシナーゼ・TRP1・TRP2の発現を阻害することで、美白効果を発揮します。さらにメラニンがケラチノサイトへ受け渡される過程を阻害する効果も確認されています。
また抗炎症作用では、複数の炎症性サイトカインの発現を調整する事によって炎症の根本にアプローチもする成分なのです。

図:チロシナーゼ活性阻害・メラニン合成抑制効果

TGP2

βホワイト(オリゴペプチド-68)

TGP2

オリゴペプチド-68は、色素沈着やシミを作り出す司令塔のような存在のMIFT(*1)を阻害して、メラニンを作らせないようにする美白成分です。
TGF-βアゴニストの美白ペプチドでTGF-β同様にMIFT(*1)を阻害して、美白効果を発揮するメカニズムを持ちます。多くの美白剤のターゲットはチロシナーゼの阻害作用ですが、 オリゴペプチド-68は複数の色素沈着に関わる経路をブロックします。

図:アルブチンやビタミンCよりもメラニン合成を阻害する

*1 : MITFとは、UVなどに反応して肌の色素沈着に関わるチロシナーゼや関連酵素の調節を行い、肌色を濃く・色素沈着・シミを作り出すきっかけとなる転写因子。

ピックアップ解説

ハイドロキノン

美白成分としておなじみのハイドロキノンですが、シミの原因であるチロシナーゼの働きを阻害し、メラニン色素を作るメラノサイトを生み出させない、2種類のアプローチが出来る強力な成分です。 あらゆるスキンケア製品では、この濃度や副作用と向き合いつつ、どのように配合を行えば良いのか、絶妙なバランスを模索して作られているのです。

ひとこと解説

QuSome®ハイドロキノンはシミの原因に対して、あらゆる段階や方面からアプローチをかけることで、美白効果をもたらす作りになっています。 ハイドロキノンはシミの元となるチロシナーゼそのものに働きかけ、ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸はチロシナーゼが生まれ合成される動きに作用したり、メラニンが色素となる前に閉じ込めて分解を行います。 TGP2がメラニンが合成される起点となる動きの部分で阻害を行い、βホワイトは色素沈着などを起こす司令塔となる成分の働きを妨げます。 また、浸透技術「QuSome®」と配合されているので、表皮だけでの作用にとどまらず、深層までをも見据えて効果を発揮します。